■バーチャルキーボード VKB(Virtual Keyboard) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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【製品情報】
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【製品レビュー】 ■バーチャルキーボード、ついに販売開始! キーボード&HMI研究会2003で実物を拝んで「これは絶対に買う!そしてバラす!」と意気込んで製品化を待ちわびていた赤外線レーザー投影式キーボード「バーチャルキーボード」がついに販売開始。実は昨年触れたのはCANESTAの評価機で、今回のものはVKBのモジュールを使ったものなのですが、そんなウンチクは後回し。さっそく開梱!。 ■シンプルなパッケージには付属品がごっそり パッケージは割とシンプル。開けてみると本体の他に各機種用の接続ケーブルがごっそり6本、そしてACアダプタに専用ケース、英語ドライバCD、日本語ParmOS用ドライバCD、クイックスタートガイド、保証書、そして撮り忘れましたが日本語マニュアル。海外版のパッケージには当然のことながら日本語ParmOSドライバと日本語ユーザガイドは無いはず。海外版のほうが安いのですが、この辺りは国内サポートをどのぐらい重視するかで選択といった感じでしょうか。
■製造元と販売元 製造元はi-Tech、国内では加賀電子が販売・サポート。
■外観、ちょっとチープ? 結構値が張る割にはちょっとチープな感じ。ただ表面は光の角度によって青くなったりするマジョーラみたいな塗装でこの辺りはプラス評価。
■Made in China 側面に貼られているラベル。製造は中国。製造元のi.Tech Dynamicは中国(香港)Hutchison Harbour Ringグループ参加の企業なので当然といえば当然ですね。 ※参考情報:イスラエルVKB、仮想キーボード技術を中国i.Tech Dynamicにライセンス供与(nikkeibp.jp)
■更に外観、上部には放熱用スリット 上部にはステータス表示を含めた電源LED、横には放熱用のスリット。とはいってもちょっと使った限りでは特に熱くはなりませんでした。裏にはスイッチが一つ。これは机に置いた時に自然に押されるようになっていて、これが押されていないと電源が切れてしまいます。レーザ投影ということで、倒れた時に目にレーザー光が目に入らないようにという配慮なのでしょうね。ちなみに電源スイッチは左側面にあって長押しでONになります。
■インターフェースはRS-232Cシリアル・・・ 「えーUSBじゃないの?」とか言われてしまいそうですが、Palmなどの各種PDAに対応させることを考えるとやはり232Cシリアルが一番汎用性があって都合がいいんでしょうね。
■電源投入! いやぁ美しいです!。半導体レーザのぎらぎらした光がたまらない!。投影されたキーを叩くと本体からカッ、カッっと心地よい音が聞こえます。ちなみにPCやPDAに接続しなくても投影可能、音も出ます。本体だけ持ち歩いて自慢するのに都合がいいですね(笑)。なお充電バッテリ内蔵なのですが、実際どのぐらい持つかはまだ不明。機会を見て計ってみたいと思います。 ■投影範囲 投影されるキーボードのサイズは約320x100mm。本体から約70mm先に投影されるので、本体サイズを合わせると奥行きは20cm程度必要。キーピッチは約19mmでフルキーボードと同じ程度。
■ドライバ(ソフトウェア)インストール WindowsPCの場合ということで以降話を進めます。まずは付属のCDからWindowsフォルダを選択してインストール。再起動の必要も無く、VKBのアイコンをクリックするとタスクバーにソフトが常駐。もちろんスタートアップに入れておけばいちいち起動する必要はありません。 ■そしてPCに接続、しつこいうようですがRS-232Cシリアル デスクトップではまだ健在ですがノートPCではすっかり消え去ってしまったD-sub9pinシリアルコネクタに接続。ちなみにUSBで接続したい場合はUSB->232C変換ケーブルを使用してください、とマニュアルに記載されています。 ■実際の使い心地は・・・わりと悪くない 専用ケーブルでPCにバーチャルキーボードを接続して電源ON。するとタスクバーのVKBのアイコンの×マークが消えて使用可能になります。実際に打ってみるとキーピッチも広いため意外にちゃんと打てます。ただキーの感覚が無いので、文字を見ながでないとやはり打てません。あと机に指を触れる数mm上でキーが入力されたと検出するので、意識して指を上にあげている必要有り。上からポンポンと叩く感じで入力するといいようです。当然のことながら入力は普通のキーボードの方が速いですが、慣れてくるとちょっとした文章の入力程度なら大きなストレスは感じませんでした。ちなみに日本語変換でよく使うファンクションキーがありませんが、これは[Fn]+[1]〜[10]にアサインされています。この辺りはHappy Hacking Keyboard使いの方ならあまり違和感無いかもしれませんね。 ■日本語入力モードへの切り替えが出来ない? 通常の英語キーボードの場合、日本語入力モードへの切り替えは[Alt]+[~]ですが、これが使えません。本体から放射線方向へ並んだキーの同時入力は検知できないというこのデバイス特有の制限によるものらしく、メーカーのサイトにも「日本語入力切替がVKBからは直接できないため、マウス操作での切り替えとなります。」というつれない一言・・・。ただしMS-IMEやATOKでモード切替のキーを他のキーに設定してやればOK。教えてくださった野田さんに感謝!。 ■検知方式の制限で同時押しできないキー有り 上記のような検出機構のため本体から放射線上に並んだ[Ctrl]+[Tab]なども効きません。あとは[左Shift]+[2]で[#]などもなかなか出てこないですね。この辺りは[右Shift]を使えば問題なく入力できるので、同時押しの場合は片手ではなく意識して両手を使うようにすると吉です。 ■日本語キーボードと共存できる 通常のWindowsPCの場合、例えば日本語キーボードと英語キーボードを接続しても、選べるキーボードドライバは日本語or英語どちらか1つで、片方の配列がおかしくなってしまいますが、本キーボードは専用アプリを常駐させるという仕様のためか日本語ドライバの状態でも、英語配列のバーチャルキーボードは刻印どおりに問題なく入力できます。USB接続で一般的なキーボードとして認識されたらこういったことは出来ないわけで、これは232C接続+専用アプリという意外な利点かも。USB接続したければ232C変換アダプタを使えばいいわけで、日本語キーボード派には嬉しいところ。でも英語キーボード派からすればやっぱりUSB接続の方がいいんでしょうねぇ。私はどっちでもOK派なのでちょっと微妙。 ■キー入れ替えソフトが使えない? 上記のように専用アプリを常駐させている関係か、ALTIME(CHOMBOのページ)でのキー入れ替えが出来ませんでした。おそらく他のキー入れ替えソフトやレジストリ変更でも無理なのではないかと。そう言った意味ではやはりUSB接続で普通のキーボードみなしで認識してくれた方がありがたいかも。 ■バーチャルキーボードの設定 設定の詳細は以下のとおり。
■実用性を考えると・・・ただし新し物好きなら買い! 意外にちゃんと打ているこのキーボードですが、これをPCで常用するかというと答えは「No」で、どう考えても普通のキーボードの方が打ちやすいです。PalmなどのPDAで使うとしても、専用ケースから取り出してケーブルをPDAと本機に接続という手間を考えるとやはり既存の折畳式キーボードの方が使いやすいと思います。やはりこういったものはPDAや携帯電話などに内蔵されてこそ真価を発揮するもので、この製品単体としての実用性はアイディア次第といったところですが、決定打になるような使い方は残念ながら思いつきません。 ただしインパクトは非常に大で「とにかく新しい技術に触れてみたい!」という方は懐が許せば「買い」でしょう。とにかく具体的な製品として発売されたことは非常に嬉しいところで今後の展開に期待です。 ■その他 - イスラエルVKB社と米CANESTA社の関係は? 今回紹介したバーチャルキーボードは中国i.Tech Dynamic社がイスラエルVKB社のライセンス供給を受けて製造していますが、この他にも米カネスタ社同じような仮想キーボードモジュールを供給する準備があるようです。 <参考記事> ・大きさも重さもゼロのキーボード、カネスタアジアが 携帯電話機やPDAなど向けに2003年秋に出荷へ(EDN Japan) で、不思議なのが今回発売されたバーチャルキーボードは、米国で正規に販売しているショップは軽く探した限りでは見当たらないんですよね。今年初旬に米国iBizのオンラインストアがバーチャルキーボードの予約受け付けをしていましたが結局色々ゴタゴタで白紙に戻ってしまいましたし、もしかすると米国でのこの技術はCANESTA社が握っていて販売できないのかも?。このあたりは機会を見てPATENT方面を調べてみたいと思います。 そういえば以前NECもタブレットPCへの搭載を検討ということでWPC EXP 2002で参考出展していましたが、その後話は聞きませんし、やはり特許がらみのゴタゴタあってそれが少なからず影響しているんですかねぇ。 <参考記事> ・Canestaの光る仮想キーボード、NECのタブレットPCへの搭載を検討(MYCOM PCWEB) |
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【バーチャルキーボードの仕組み】
更に詳しい情報が知りたい方のための「バーチャルキーボードの仕組み」コーナー。 この辺りはVKB社の解説ページに載っているのですが、もう少し詳しく解説してみたいと思います。なお概略なので図の細かいツッコミはなしということで。致命的に間違っているところがあればご指摘いただけると幸いです。 ■全体概要 [赤色半導体レーザーモジュール+ホログラフィック光学素子] ホログラフィック光学素子に赤外線レーザを放射することによりレーザーが分散、キーボードのイメージを投影。数年前に流行った数千円のレーザーポインタでも先のアダプタを交換することで星や矢印の形を投影できるものがありましたが、おそらくそれと同じようなもので、特に目新しい技術ではなく更に安価に実現できるものだと思われます。ちなみこのユニットは単にキーボードのイメージを投影するだけで、キーの検知には全く無関係です。 [CMOSカメラモジュール] 下部から放射されるレーザーの反射光を検出してキーのイメージを押した位置を検出。この辺りがこのキーボードのキモでしょうね。 [赤外(不可視)半導体レーザー投影モジュール] 人には見えない位置検知用赤外レーザーを机などの投影面に平行して扇状に放射。
■検知用赤外レーザー投影イメージ 赤外レーザーの放射はおそらくこんな感じのイメージで1点のレーザーを分散させているという感じでしょうね。
■検知方式 詳細は以下のとおり。キーボードのイメージを押すと目には見えないレーザが指に当たり反射。その光をCMOSカメラがとられて位置を検出、キーが入力されるという仕組み。
もう少し詳細。赤外レーザーを机すれすれに照査するというのがキモで、例えば以下のようにレーザは拡散せずに直進するので通常はCMOSカメラには何も映りませんが、キーを押すアクションをおこすと指にレーザーが照射されその部分が光り、それをCMOSカメラとらえて入力位置を検出するという具合です。実際には赤外レーザーなので目には見えませんけどね。
それぞれのモジュール単体には特に目新しい技術はありませんが、それを組み合わせてこういった新しい入力デバイスを考案、製品化してしまうそのパワーは素晴らしいですね。もちろん既存のキーボードに取って替わるデバイスではありませんが、新しい分野で色々と活用されることに期待!。 |
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【分解・解説】 何故かお約束になってしまった分解・解説コーナー。当然のことながら分解すると基本的に保証はなくなります。またレーザーを使っている関係上・危険性を伴いますので正直分解はお勧めしません。 裏の小さな穴を押して下にスライドさせると裏カバーが開きます。 裏にはバッテリーモジュール。これを外すとネジが4本見えます。 4本のネジを外すと後はパカッと開くだけで割と簡単に分解できます。 下の方には本体を安定させるためのウエイト有り。 基板裏表。意外にコンパクト。ちなみに上部がイメージ投影ユニット。中部にはCMOSカメラ。その下にあるのがおそらくスピーカで、一番下は検知用の赤外レーザー投射ユニット。 イメージ投影部にはヒートシンク有り。 イメージ投影部拡大。この中に赤色レーザユニットとレーザをキーボードの形に投影するホログラフィック光学素子があるはずですが、これ以上はバラせませんでした。 キーを押した位置を検知するCMOSカメラと、検知用の赤外レーザーを投射するユニット。 これはたぶんスピーカー。 2004/12/01:画像UP。 2004/12/05:レビュー、解説、図・画像数点追加 |
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