キースイッチ分解 - Cherry MX Keyswitch | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
CherryのMXキースイッチは、外観からは基板から外さないと分解できないように見えますが、ツメを上手いこと広げることにより、基板に固定されたままで分解が可能です。まずは分解の解説に入る前に、分解するメリットに付いて解説したいと思います。 ■好みのキーボードを作る Cherryのキーボードには基本的に下記のような4種類のキースイッチが使用されていて、それぞれタッチが異なります。また、キーボードの形状も、標準、コンパクト、トラックボール/タッチパッド/指紋スキャナ付きなど、多数の種類が存在します。ですので「このキースイッチは好みなんだが、配列がいまいち・・・」なんてこともよくあると思いますが、スイッチのベースは共通となっているため、スライダー(軸)とスプリングを他のキーボードへ移植することにより、好みのタッチを得ることができます。また、軽めのリニアが好みであれば、茶軸もしくは青軸のスプリングのみを移植してみるのもいいかもしれません。こういった感じで、下記のスイッチであれば(軸4種類)x(スプリング3種類)=12種類のキースイッチを作り出すことができます。ただしある程度使用していると、アタリが取れてなじんでいる場合もありますし、また成形の微妙な誤差があるかもしれませんので、移植したスイッチで全く同じタッチになるとは限りません。
■分解手順 CherryのMXキースイッチは上部ケースが4個所のツメで止まっていて、これを緩めることにより簡単に分解することができます。具体的には下記赤矢印の隙間からツメを手前に引っ張り持ち上げます。 今回は適当な工具がなかったので、空き缶(スチール)を使って下記のような工具を作ってみました。なお、あまり固い鉄ではなかった為、裏に折り曲げて強度を確保しています。 作成した工具のツメをスイッチの隙間に入れて、テコの原理でキースイッチ側に倒してやると、ツメが緩んで下記のように上部ケースが外れます。あとはお好みで他のスライダーや軸を移植しましょう。なお接点不良の場合は、接点を磨くことにより復活させることができます。また劣化したスイッチには、スムースエイドなどの潤滑剤を塗布してみるのもいいかもしれませんね。 組み立ては、スプリングとスライダーをのせて上部ケースを上からはめるだけで、特に難しい作業はありません。 今回は工具を自作したためちょっと敷居が高いように感じた方もいらっしゃるかもしれませんが、身近に代用できるモノもあるかもしれませんので、皆さん色々と工夫してみてください。 ■今後の課題 今回作った工具は、金属が柔らかかったため、何回か使っているうちにツメが開いてきてしまいました。ですので今後、下記のような焼入れされた固いリボンを使用して再作成する予定。はじめから焼入れができるような軟鉄が用意できればよいのですが、そういった知識もないので、 焼入れされたリボンを焼き戻して加工することにしました。なお、手順は以下の通り。 ・焼き戻しをする リボンをバーナーで赤くなるまであぶり、放置して冷やします。こうすることで鉄が柔らかくなり加工しやすくなります。バーナーはホームセンターなどで\2,000-ぐらいで売っているカセットコンロの缶を使うモノでOK。 ・鉄を加工する 焼き戻しで柔らかくなっているので、ニッパーなどで工具の形に加工します。 ・焼き入れ 加工した鉄をバーナーで赤くなるまであぶり、水に入れます。こうすることで焼き入れがされ、金属が非常に硬くなります。 (02/07/27) |
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