IBM BucklingSpring Keyboard (IBM 5576-003, 5576-A01, 101model M, etc...) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||
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version] IBMの5576-A01,003や英語キーボードの101
model
Mなどは、カチカチとした気合の入った音が鳴りますが、このキーボードは「メンブレンスイッチ」を採用しています。 なお、これらのキーボードはbuckling spring(バックリングスプリング) keyboardと呼ばれており buckle:曲がる,ゆがむ,屈する spring:スプリング、バネ ということで、バネを歪めて動作するキーボードという意味になります。 IBM 5576-003(5576 KEYBOARD-3) IBM 5576-A01(P/N:79F0167) それではさっそく分解していきましょう。 まずキートップを外すとスプリングが見えますね。 さらにこの機構部を取り外すと・・・あれ?スイッチがない? と思った方もいらっしゃるかと思いますが、実はこの黒いシート自体がフィルム状のスイッチで、下記画像のように中央部を押すとキーが入力されます。 このシートを押しているのが上部の機構部で、このケースの中にシートを叩くための樹脂成型品とそれを動作させるためのスプリングが納められています。なお、5576-003,A01ではこのように1つ1つ機構部が独立していますが、英語キーボードの101model Mなどはこれらがキー全体で一体となって形成されています。 この機構部をカット※2すると下記のような構造になっています。キーを押し込んでいくとスプリングがカクッと歪んで、そのタイミングでスプリングの先に繋がった樹脂成型品がシートを軽く叩き、スイッチがONになるんですね。 ※2「うぉ!もったいない!」と思った方、安心?して下さい。 カットしたのはA01のキー抜けまくりのジャンク品から取り外したモノです。 tと言ってもピンとこないと思いますので、キー動作の連続写真を撮ってみました。 なお、バネ上部が当たる部分は、1方向に曲がるように少し斜めに成型されています。 それでは次にメンブレンスイッチ部を見ていきましょう。 上部の機構部を外しシートをめくると、5層のシートと金属のベースが確認できます。 最上部のゴムシートの下には炭素膜のパターンと接点がプリントされたシートがあり・・・ その下にも接点があるのですが、そのまま重ねては常に接触し導通してしまうので、上下の接点の間に隙間を作るために穴の空いたフィルムが挟まっています。 さらに下部接点フィルムの下にはベースの透明フィルムがあり、 その透明フィルムを剥すと一番下の金属のベースにたどり着きます。 おつかれさまでした<私 ちなみに「membrane」とは「膜、膜皮」と言う意味で、「メンブレンスイッチ」とは「膜接点スイッチ」ということになります。一般的にカチカチ音のなるキーボードはメカニカル、柔らかいタッチはメンブレン、と認識されているようですが、実際のところ5576-A01,003や英語キーボードの101 model Mのスイッチはメンブレンですし、Acerのメカニカルといわれているキーボードも金属バネでクリック音を出しているだけで、スイッチ自体はメンブレンなんですよね。 と、色々うだうだと書いてますが、結局のところ呼び方なんてさほど重要じゃなくて、その構造を知る事の方が大切なのでしょう。とりあえずIBMのこの手のキーボードは「バックリングスプリング キーボード」と呼ぶのが的確なのかなと思います。 <更新履歴> 2001/06/20:公開 2002/07/01: 5576-A01の画像追加 |
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