| ひび割れ修正 |
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| Introduction |
ひび割れたカウルの修正、ということでカウルを溶着してみようというお話です。ま、実際のところ「接着剤+裏から板を張って補強」の方が手っ取り早いでしょうしリスクも少ないと思いますが、場合によっては溶着の方が有効かもしれません。その辺りは最後の考察を参照です。 ![]() |
| 必要なもの |
| まずカウルの裏側をみて見ましょう。 下記のようにABSと記載されていればABS樹脂製。 最近のバイクのカウルはほとんどがABS樹脂製のようです。 ![]() ●ABS樹脂板 ABSのカウルにはABS樹脂で溶着でしょう、ということで溶着時に上から盛るためのABS樹脂板。 今回は東急ハンズで扱っている厚さ1mmのものを使用。 バイク屋などで割れたABS製カウルやフェンダーなどを入手するというのも手ですね。必要のないABS樹脂製の小物などがあれば、それを使用するのもいいかもしれません。 ![]() ●半田ごて 今回は30Wの半田ごてを使用しました。 ABS樹脂なんかを溶かしたりすれば、たぶんコテ先はダメになるんで、高級なコテ先を使用している場合は安物に付け替えて使用した方がいいかもしれません。半田ごてが無い場合は、マイナスドライバーなどを火であぶりながら、という手もあります。 ![]() |
| 練習 |
いきなり本番で失敗してカウルをダメにしてしまっては洒落にならないので、自信の無い方は下記のようにABS樹脂板を切って並べて溶着の練習をしてみるとよいと思います。![]() |
| 溶着作業 |
| まずはひび割れた裏面を紙やすりなど磨きましょう。 下記の写真は以前割れて接着剤で付けたのですが、再度割れてしまったので、その接着剤を彫刻刀で剥しています。 ![]() とりあえず前準備はこんな感じです。 ![]() ひび割れた部分を下記のように半田ゴテで掘っていきます。 この時勢い余ってカウルを貫通してしまう可能性があるので、指を裏にあてて表面の温度を確認しながら作業を行うと良いと思います。なお、過度の熱が伝わると、貫通はしなくても塗装面が歪んでしまうので、指が温度を感じ取ったらすぐにコテ先を放した方が無難です。熱い!とおもったらもう手遅れで、おそらく表面が歪んでしまっていますので、ここは慎重に作業しましょう。 ![]() 盛り上がった部分を再度溝へ埋めていきます。左右の樹脂を混ぜながら溶着していきましょう。 ![]() これだけでは強度的にまだ不安なので、ABS樹脂を細かく切って少しずつ溶かしながら盛っていきます。 ![]() 最後にタッチペイントなどで塗面を修正すれば完成です。 ![]() |
| 考察 |
| とまぁこんな感じですが、単なるひび割れだったら前述したように「接着剤+裏から板を張って補強」の方が良いと思います。溶着だと熱でカウル表面を歪ませてしまう可能性が高いからです。ではどのようなときに有効かを考えてみましょう。 ●カウルを再塗装する場合 下記のように両面から溶着して、表面のみを平らに仕上げれば、完全にひび割れが無くなって強度も稼ぐことができそうです。 ま、こんなにうまくいくかは分かりませんけどね。 ![]() ●ミラーの付け根の部分の修正 ここって転けるとよく割れるんですよね。負荷がかかる部分なので接着してもすぐに割れてしまって、形状的に裏から補強板をはるのも難しい。ということで今回のように溶着すればそこそこの強度を得られるかもしれません。 ●割れた部分が無くなってしまった場合 ABS板を溶着、変形させながら再生すれば・・・って、ここまでくると職人技ですね。 ま、こんな感じで実用になるかはわかりませんが、カウルが完全に分断してしまったときなどにダメ元でやってみるのもいいかもしれません。 では、なにか不明点などありましたらK.Tanakaまでメール、又は掲示板でお気軽にご質問下さい。 |
| おまけ -メーターパネル修正- |
パネル周辺部も割れていたので同様に溶着してみました。 ![]() ここはポリプロピレン材です。あまり負荷がかかる部分ではなかったので上から盛る事はせず、溶かして表面を凸凹にして強度を稼いでいます。 ![]() |