ALPSメカニカルスイッチ IBM 5576-001,002
5576-001,002はA01,003などと形状が似ているのですが、中の構造は全く違っていて、前者はALPSのメカニカルスイッチ、後者はバックリングスプリングを採用しています。なおALPSのメカニカルスイッチと言っても、その構造はBigFoot系とは大きく異なり、かなり個性的なタッチを持っています。そこで今回、IBM 5576-001のキートップを分解しその構造をレポートにまとめてみました。 
 
キートップを外すと、ALPSのメカニカルスイッチが確認できます。
 
さらにスイッチ上部を外すと、書きのような板バネが姿をあらわします。
 
この板バネの下に接点部があり、赤○部を押す事によリスイッチが入る仕組みになっています。
 
なお、スライド部には板バネを押す為の突起があるのですが、この内部にはスプリングが入っていて、力が加わると内側に押し下げられるような構造になっています。
 ※カットモデルには部品取り用のキーが多数抜けているジャンク品を使用しました。不人気な001とはいえ、再生不可能な状態にカットしてしまうのはさすがに気が引けますので。

 今回もバックリングスプリング同様に連続写真を取ってみました。
キーを押し込んでいくと徐々にスプリングが縮んでゆき、一定の深さまで押し込むと板バネがパキッと曲がり下部の接点を押してスイッチが入ります。

なお、矢印の2点が端子で基板にハンダ付けされており、さらに分解すると「下接点」、「透明樹脂」、「上接点」、「上部ケース」が確認できます。上下接点の間には樹脂板が挟まっていて、常に接触しないよう隙間を作っているんですね。
端子部分 <-下 

 上->

※撮影の為に端子を短く切っていますが、実際はもっと長いです。

上部の接点は2枚の金属で形成されており、端子近くでスポット溶接されています。
 
なお、上部スライド部の4隅には凸があり、スプリングが完全に縮み切る前にこの凸が底に当たり、接点部に無理な負荷が加わらないような構造になっています。
 
ということで、なかなか凝った構造のキースイッチですね。しかし
バックリングスプリングに比べると耐久性が低いようで、使用頻度の高いスイッチがヘタってしまうことがあるようです。ただし上記のように板バネ、スプリングは外すことができますので、タッチがおかしい場合は使用頻度の低いスイッチと交換してみるのもいいかもしれません。
(01/06/20)

 
  
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