Cherry MLキースイッチ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
CherryのMLキースイッチは、下写真のように背が低く、G84-4100,G84-4400など、G84系のコンパクトなキーボードに採用されています。コンパクトキーボードでメカニカルというのはほとんどないので貴重な存在ですね。
Cherryのロゴも綺麗に成形されていて全体の精度も高そうです。
■押下圧特性 カタログを見ると下記のようにストロークは約3.0mmで、MXキースイッチに比べると1.0mmほど浅いですが、十分なストロークを確保しています。ちょうどストローク中央部の1.5mmほど押し下げたところで接点が繋がるので、一般的なメンブレン+ラバードームのキーボードのように底まで押し下げなくてもキーが入力されます。底に付く時点での押下圧は約6.0cN※ということで、こちらは標準的な値ですね。なお、音に関してはカチカチといったクリック音はしないノンクリックタイプで、下記グフラのようにキーを押し下げた早い段階の位置でクリック感(tactile feel)があります。 ※cN ≒ gf×0.9807 ■分解 下記のようなツメが4ヶ所にあり、これを緩めることにより上部ケースを外すことが出来ます。このような作業はキースイッチ単体の状態であれば簡単に行えるのですが、キーボードとして基板にはんだ付けされている状態ではツメを開くための隙間が無くなってしまうためちょっと難しいと思います。 ■接点 MXキースイッチと同様に接点が交差したゴールドクロスポイントを採用しています。 スイッチの動作原理は基本的にMXキースイッチと同じす。通常の状態ではスライダーの凸部が板バネを押していて接点が離れていますが、スライダーを押し下げると凸部が下がりバネが戻って接点が繋がる、といった具合ですね。 下写真のように、スライダーを押し下げると赤矢印部の接点が繋がります。
■潤滑材 板バネと接触するスライダーの凸部には、潤滑材が塗布されています。ALPSのキースイッチも昔のモノはスライダー全体に潤滑材が塗布されていましたが、現在のモノは塗布されていません。現行のキースイッチにもこのような点を省略せずコストをかける辺りは、流石ドイツのメーカーといったところでしょうか。 ■スライダー スライダーには下写真のように3個所にガイドがあります。MXキースイッチの場合2箇所のみなのですが、MLキースイッチの場合、スイッチが薄くスライダーも短いので、ガタつきや引っ掛りを押さえるためにこのような構造になっているのでしょう。 ■端子 下記のようにa,a'は接点の端子でキーを押し下げると導通します。b,b'はジャンパー線で内部で繋がっています。キーボードの基板を見ると、このジャンパー線を有効に活用してパターンをひいているのがわかります。 なお、このキースイッチにはジャンパ有りと無しの2種類が存在します。
ML1A-11NW: no Jumper ■まとめ ということで、こんな小さなキースイッチでも様々な工夫が凝らされているんですね。このキーボードは、国内では秋葉原のネオテックで扱っているので、興味のある方は一度実際に触れてみてください。上写真のベージュ色の他に、ブラックのタイプもあって、こちらもなかなかカッコイイですよ。 (2002/02/18) |
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